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野村友里
Yuri Nomura -
壱岐ゆかり
Yukari Iki -
相良育弥
Ikuya Sagara
野村さんと壱岐さんの2人にとってインスピレーションの源は、日本各地で受け継がれ てきた伝統や人に出会う旅にこそあります。「食植・住」展の制作に向け、2人は 旅を重ねました。稲(米)が植えられる風景を求めて栃木へ。古くからの知恵である 稲藁を使って道具づくりをする職人に会いに愛媛へ。そして、茅葺き屋根の家という 日本の暮らしの原風景を求めて兵庫へと向かいました。
野村さんと壱岐さんの2人にとってインスピ レーションの源は、日本各地で受け継がれて きた伝統や人に出会う旅にこそあります。 「食植・住」展の制作に向け、2人は旅を重ね ました。稲(米)が植えられる風景を求めて栃 木へ。古くからの知恵である稲藁を使って道 具づくりをする職人に会いに愛媛へ。そして、 茅葺き屋根の家という日本の暮らしの原風 景を求めて兵庫へと向かいました。
まず2人が向かったのは栃木県の塩谷町。2017 年からこの地で米づくりを続ける大島農園さんを 訪ねました。 「日々の暮らしと命を守る衣、食、住について考えた 時に、衣食住全てを賄ってくれる素材が全て植物 だったことにあらためて気づいたんです。植物が衣 をつくり、食をつくり、家もつくる。最終的には全て が繋がっていることがわかりました。2021年に開催 した『衣・食植』展では“衣”に注目したのですが、 延長線上にある今回は“住”について深く考えてみ ました。そこで再発見する形になったのが、日本の 住まいにいかされていた稲(米)の存在だったので す」野村さんはそう言います。訪れたのは田植えの
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まず2人が向かったのは栃木県の塩谷町。2017年からこの地で米づくりを続ける大島農園さんを訪ねました。
「日々の暮らしと命を守る衣、食、住について考えた時に、衣食住全てを賄ってくれる素材が全て植物だったことにあらためて気づいたんです。植物が衣をつくり、食をつくり、家もつくる。最終的には全てが繋がっていることがわかりました。2021年に開催した『衣・食植』展では“衣”に注目したのですが、延長線上にある今回は“住”について深く考えてみました。そこで再発見する形になったのが、日本の住まいにいかされていた稲(米)の存在だったのです」野村さんはそう言います。
季節。大島和行さんが大切に育てた苗を用いて、 田植えを手伝わせてもらいました。大きな実りをも たらせてくれるよう、ていねいに苗を植え付けてい きます。作業を終えて顔を上げると、小さくやわらか な緑の苗が輝いて見えました。秋が深まる頃には 黄金色の風景となっていくのでしょう。米が収穫さ れた後の稲藁は生活道具や屋根に姿を変え、人の 暮らしを支え、命を守り育んでくれるのです。「稲を
訪れたのは田植えの季節。大島和行さんが大切に育てた苗を用いて、田植えを手伝わせてもらいました。大きな実りをもたらせてくれるよう、ていねいに苗を植え付けていきます。作業を終えて顔を上げると、小さくやわらかな緑の苗が輝いて見えました。秋が深まる頃には黄金色の風景となっていくのでしょう。米が収穫された後の稲藁は生活道具や屋根に姿を変え、人の暮らしを支え、命を守り育んでくれるのです。
「稲を知るうちに、稲藁に驚くほどに多様性があるということがわかったんです。藁半紙や藁草履にもなるし、藁葺き屋根の建材にもなる。稲藁って、とても弱くて強い素材だったのです」と野村さんが教えてくれました。
知るうちに、稲藁に驚くほどに多様性があるという ことがわかったんです。藁半紙や藁草履にもなるし、 藁葺き屋根の建材にもなる。稲藁って、とても弱く て強い素材だったのです」と野村さんが教えてくれ ました。
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栃木県の塩谷町で、無農薬・化学肥料不使用の野菜とお米を栽培している大島農園の大島和行さんは『the little shop of flowers』の元メンバー。最近、大島農園のある地域にソーラーパネル建設の話しもあがりましたが、住民の皆さんが原風景を守ることを大事に思い、その建設はなくなったそうです。大島さんはその土地の田んぼ6町(18,000坪)を借り受けて、お米づくりをすることで、今ある美しい景色を守ることにしたのです。

稲藁を用いたしめ縄飾りを制作する職人さんを 訪ねて、2人は愛媛へと向かいました。米どころで ある西予市で米農家を営む上甲清さんは、藁 加工品のためにも稲を育てています。 「ある⺠藝品店で出合ったしめ縄飾りが美しすぎ て、お店の方に教えてもらったのが愛媛の米農家 である上甲清さんだったんです。私たちは『じっ ちゃん』と呼ばせてもらっているのですが、じっちゃ んは、稲藁づくりから全て一人で行なっていて、しめ 縄飾りづくりは春の田植えから始まります。一ミリ の妥協もないじっちゃんを私たちは尊敬していま す」と壱岐さん。50年以上前に独学で縄飾りの 技術を身につけたという上甲さんの育てた稲は
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稲藁を用いたしめ縄飾りを制作する職人さんを訪ねて、2人は愛媛へと向かいました。米どころである西予市で米農家を営む上甲清さんは、藁加工品のためにも稲を育てています。
瑞々しく、やさしい手から作り出されるしめ縄飾り は、どこまでも美しいのです。
ある⺠藝品店で出合ったしめ縄飾りが美しすぎて、お店の方に教えてもらったのが愛媛の米農家である上甲清さんだったんです。私たちは『じっちゃん』と呼ばせてもらっているのですが、じっちゃんは、稲藁づくりから全て一人で行なっていて、しめ縄飾りづくりは春の田植えから始まります。一ミリの妥協もないじっちゃんを私たちは尊敬しています」と壱岐さん。50年以上前に独学で縄飾りの技術を身につけたという上甲さんの育てた稲は瑞々しく、やさしい手から作り出されるしめ縄飾りは、どこまでも美しいのです。
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日本文化の核の部分にある稲作が生んだ産物であるしめ縄飾り。愛媛県の米どころ、西予市の米農家である上甲清さんが制作しています。稲藁を扱う手しごとの技ももちろん素晴らしいのですが、このしめ縄飾りのためだけの田んぼで1年をかけて稲を育てている上甲さんのこだわりや想いが作品の美しさに表れています。

7月中旬に訪れたのは兵庫県。展覧会のインスタ レーションを手がける茅葺き職人の相良育弥さん を訪ねました。神戸の市街地から北へ車で40分 ほど。日本らしさが詰まったようなその土地には、 心地いい風が吹いていました。田んぼに風が吹く と、稲が揺れる様がまるで海のうねりのようで、大 きなエネルギーを感じます。相良さんと待ち合わせ たのは日本最古の民家である「箱木家住宅」。相良 さんが茅葺き屋根を修復・管理しています。 大きな茅葺き屋根の中に入ると、気温がぐっと下 がります。内部は昼間でも薄暗く、籠るような感じで す。相良さんは「茅葺きの家は大きな木の下にいる ような感覚になります」と言いますが、まさに木陰
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7月中旬に訪れたのは兵庫県。展覧会のインスタレーションを手がける茅葺き職人の相良育弥さんを訪ねました。神戸の市街地から北へ車で40分ほど。日本らしさが詰まったようなその土地には、心地いい風が吹いていました。田んぼに風が吹くと、稲が揺れる様がまるで海のうねりのようで、大きなエネルギーを感じます。相良さんと待ち合わせたのは日本最古の民家である「箱木家住宅」。相良さんが茅葺き屋根を修復・管理しています。
大きな茅葺き屋根の中に入ると、気温がぐっと下がります。内部は昼間でも薄暗く、籠るような感じです。相良さんは「茅葺きの家は大きな木の下にいるような感覚になります」と言いますが、まさに木陰に入った時の感覚を思い出しました。
茅葺きの屋根と土の壁、内部は土間に板張りの床。どこを見渡してもその全てが植物だということに気が付きます。全てが土に還る素材だということを実感するのです。
藁葺きと茅葺きの区別がつかない方が多いと思いますが、屋根に使われてきた植物の総称が「茅」と呼ばれ、代表的なものにススキやヨシ、稲藁、小麦藁などがあり、それらを用いて葺いた屋根は全ては茅葺きと呼ばれ、藁葺きとは茅葺きのバリエーションの中のひとつとして、稲藁を使って葺いた屋根のことを言います。
に入った時の感覚を思い出しました。茅葺きの屋 根と土の壁、内部は土間に板張りの床。どこを見渡 してもその全てが植物だということに気が付きます。 全てが土に還る素材だということを実感するのです。 藁葺きと茅葺きの区別がつかない方が多いと思いま すが、屋根に使われてきた植物の総称が「茅」と呼 ばれ、代表的なものにススキやヨシ、稲藁、小麦藁 などがあり、それらを用いて葺いた屋根は全ては
茅葺きと呼ばれ、藁葺きとは茅葺きのバリエーショ ンの中のひとつとして、稲藁を使って葺いた屋根の ことを言います。ススキやヨシは茅の中でも高耐久 で、地域にもよりますが約30〜40年の耐久性があ り、一方で稲藁は約5〜8年と耐久性ではススキや ヨシに劣ります。けれどお米という日本人の主食の 副産物として手に入る稲藁は確保しやすく、かつ 扱いやすいので、耐久性の低さを補う利点があり、
何より耐久性が低いという事は、土に還りやすいと いう事ができ、単純に屋根材としての耐久性だけ では測れない魅力が稲藁にはあります。 「大きな屋根そのものが家のようですね」と野村さん が言う通り、茅で葺かれた箱木家の屋根は驚くほ どに大きく、軒先が低く地面に近いのです。 「古代の家屋は竪穴式住居のように屋根が地面に ついていたんです。それが時代を経るにつれて軒
ススキやヨシは茅の中でも高耐久で、地域にもよりますが約30〜40年の耐久性があり、一方で稲藁は約5〜8年と耐久性ではススキやヨシに劣ります。けれどお米という日本人の主食の副産物として手に入る稲藁は確保しやすく、かつ扱いやすいので、耐久性の低さを補う利点があり、何より耐久性が低いという事は、土に還りやすいという事ができ、単純に屋根材としての耐久性だけでは測れない魅力が稲藁にはあります。
「大きな屋根そのものが家のようですね」と野村さんが言う通り、茅で葺かれた箱木家の屋根は驚くほどに大きく、軒先が低く地面に近いのです。
「古代の家屋は竪穴式住居のように屋根が地面についていたんです。それが時代を経るにつれて軒の位置が高くなっていきました。この家は700年ほど前に建てられた鎌倉・室町時代頃の建築様式となります。かつては朝起きたら野良仕事、日が暮れたら帰ってごはんを食べて寝るという生活ですから、ほとんど寝るためだけの住居。家というより巣に近いいのです。この家も40年前までは実際にご家族が住んでいたんです。多い時で10人くらいは住んでいたと思いますよ。『葺き屋根の家は暖かかった』という話をよく聞きますが、それは家族みんなが一部屋で固まって寝ていたからじゃないかと思うんです」と相良さん。
「家は元々、巣だったんですね」壱岐さんは大きな気づきを得たようです。人がもっと動物的だった時代、それは遠い昔の話ではなく戦前までは日本各地で見られた光景だったのでしょう。
の位置が高くなっていきました。この家は700年ほ ど前に建てられた鎌倉・室町時代頃の建築様式と なります。かつては朝起きたら野良仕事、日が暮れ たら帰ってごはんを食べて寝るという生活ですから、 ほとんど寝るためだけの住居。家というより巣に近 いのです。この家も40年前までは実際にご家族が 住んでいたんです。多い時で10人くらいは住んで いたと思いますよ。『葺き屋根の家は暖かかった』
という話をよく聞きますが、それは家族みんなが 一部屋で固まって寝ていたからじゃないかと思う んです」と相良さん。 「家は元々、巣だったんですね」壱岐さんは大きな 気づきを得たようです。人がもっと動物的だった 時代、それは遠い昔の話ではなく戦前までは日本 各地で見られた光景だったのでしょう。
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「食植、住」展のメインの部屋では、兵庫の茅葺き職人・相良育弥さん制作による稲藁でしつらえた小空間を設置しています。植物である稲が人の住処を守り、安心感を与える屋根となり、時を経て新たな植物が芽生える場所となり、やがて朽ちていくと堆肥となって土に還る様を表現しました。

箱木家の大きな屋根の下には広い縁側があります。 この縁側、空気層を生み出して断熱効果の役割も ありますが、それ以上のものをもたらしてくれるの です。 「お客さんが来たときに、座敷に上げるほどでも ないし、来た方も上がるほどでもないけど、ちょっと 話したい時に縁側がいい役割をするんです。日本 文化の中の横並びには、現代では失っている大切 なものがたくさんあると思います」相良さんはよく 縁側を活用するといいます。 「横並びからイエスかノーじゃない“あいまい文化” が生まれたのかもしれませんね。曖昧さって「グ レー」みたいにネガティブな言葉として使われがち
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箱木家の大きな屋根の下には広い縁側があります。この縁側、空気層を生み出して断熱効果の役割もありますが、それ以上のものをもたらしてくれるのです。
「お客さんが来たときに、座敷に上げるほどでもないし、来た方も上がるほどでもないけど、ちょっと話したい時に縁側がいい役割をするんです。日本文化の中の横並びには、現代では失っている大切なものがたくさんあると思います」相良さんはよく縁側を活用するといいます。
だけど、すごく大事だと思うんです。余白を生み出 すというか。現代はこういう浄化作用のある場所 が少ないのかもしれませんね」と野村さんは言い ます。
「横並びからイエスかノーじゃない“あいまい文化”が生まれたのかもしれませんね。曖昧さって「グレー」みたいにネガティブな言葉として使われがちだけど、すごく大事だと思うんです。余白を生み出すというか。現代はこういう浄化作用のある場所が少ないのかもしれませんね」と野村さんは言います。
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「いい根商店」では、稲藁や茅葺きの持つ知恵と美しさを日々の暮らしの中に取り入れていただけるような植物素材を使用した生活道具のプロダクトをはじめ、作家さん制作による1点ものの作品、厳選されたお米やお酒などの食品、そして「衣・食植」展で出合った大麻布などのアイテムが並びます。

近年、世界各地で茅葺き屋根の再発見のムーブメン トが起きているそうです。壱岐さんが最近オランダ に行った時にも、モダンな建築に茅葺き屋根という スタイルの例を見たといいます。 「世界を見渡したら、もともと茅葺き民家ではない 国はひとつもないくらい、植物で屋根を作るとい うのは全人類の原点なんです。その中でも日本の やり方はかっこいいと思います」と相良さん。 日本のかっこよさとはどういう点にあるのでしょう。 「循環です。稲や茅が育つ環境では生き物の 住処を守り、稲は食になり、藁や茅はさまざまな道具に 姿を変え、人の住処を守る屋根にもなり、朽ちて 土に還ります。また、屋根を葺く作業では人の助
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近年、世界各地で茅葺き屋根の再発見のムーブメントが起きているそうです。壱岐さんが最近オランダに行った時にも、モダンな建築に茅葺き屋根というスタイルの例を見たといいます。
「世界を見渡したら、もともと茅葺き民家ではない国はひとつもないくらい、植物で屋根を作るというのは全人類の原点なんです。その中でも日本のやり方はかっこいいと思います」と相良さん。日本のかっこよさとはどういう点にあるのでしょう。
け合いを生み、技術が継承されていくのです」
「循環です。稲や茅が育つ環境では生き物の住処を守り、稲は食になり、藁や茅はさまざまな道具に姿を変え、人の住処を守る屋根にもなり、朽ちて土に還ります。また、屋根を葺く作業では人の助け合いを生み、技術が継承されていくのです」
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人間が生きてきた時代においてどんな素材を使って生きてきたかの視覚化を目指しました。人類の知恵の伝承や歴史の連続性を藁縄を用いたタテ糸として、ヨコ糸には時代性を表すマテリアルを編み込んでいます。決してネガティブに伝えたい訳ではなく、視覚化することで過去と現在を理解して、未来のことを考えるきっかけになればいいなと願っています。こちらも茅葺き職人の相良育弥さんによる作品です。

「みんなが藁葺き屋根に暮らせばいいというわけ ではありませんが、人の命を守り、自然に還るとい う茅葺き、藁葺き屋根の役割の終え方、次への繋 げ方の美しさを伝えられる展覧会になればと思っ ています」野村さんはそう言います。 「食植・住」展でテーマにしていることの一つに 「100年先、3世代先に繋げる」というものがありま す。「100年続くことができたらその先の100年にも 繋がるんです。戦後80年足らずで私たちの暮らし はこんなにも変わりました。次の世代に伝えること に対して、細やかに解像度を高く伝える必要があ るんだと思います」と壱岐さん。 自然と人、人と人、そして国家間にまで、その規模
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「みんなが藁葺き屋根に暮らせばいいというわけではありませんが、人の命を守り、自然に還るという茅葺き、藁葺き屋根の役割の終え方、次への繋げ方の美しさを伝えられる展覧会になればと思っています」野村さんはそう言います。
「食植・住」展でテーマにしていることの一つに「100年先、3世代先に繋げる」というものがあります。「100年続くことができたらその先の100年にも繋がるんです。戦後80年足らずで私たちの暮らしはこんなにも変わりました。次の世代に伝えることに対して、細やかに解像度を高く伝える必要があるんだと思います」と壱岐さん。
に関わらずあらゆる場で存在する分断が地球上で 問題を生んでいます。それらを解決するためには 知恵と文化、そして想いを繋げ、循環させることこ そが大切なのでしょう。それも次世代だけではなく、 その次の世代にまで。 小さな芽が芽吹いている茅葺き屋根の700年受け 継がれてきた家は、野村さんと壱岐さんに新しい インスピレーションを与えてくれたようです。
自然と人、人と人、そして国家間にまで、その規模に関わらずあらゆる場で存在する分断が地球上で問題を生んでいます。それらを解決するためには知恵と文化、そして想いを繋げ、循環させることこそが大切なのでしょう。それも次世代だけではなく、その次の世代にまで。
小さな芽が芽吹いている茅葺き屋根の700年受け継がれてきた家は、野村さんと壱岐さんに新しいインスピレーションを与えてくれたようです。
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伝統的な茅葺きの技術をいかし、壁や什器として新しい茅葺きの使い方に挑戦している茅葺き職人の相良育弥さんは、普段からできるだけその土地の近くで採れた材料を使われています。今回は、今の暮らしに取り入れられる茅葺きとして稲藁を用いた花入を作ってもらいました。展覧会期間中にはギャラリーが位置する神宮前に育つ花を生けようと思います。身近な自然、足下の自然に目を向けると素敵な出逢いがあるかもしれません。

Profile
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野村友里
eatrip主宰/料理人。長年おもてなし教室を開いていた母の影響で料理の道へ。ケータリングフードの演出や料理教室、雑誌での連載やラジオ出演などに留まらず、レシピ開発、イベント企画、映画やテレビ番組の料理監修など、食の可能性を多岐に渡って表現している。2012年にrestaurant eatrip(原宿)を、2019年11月にeatrip soil(表参道)をオープン。生産者、野生、旬を尊重し、料理を通じて食のもつ力、豊かさ、美味しさを伝えられたら、と活動を続ける。また、2021年より全国の日本食を巡る旅アニメーション"TOFUKOZO豆腐小僧"を主宰。最新の著書に「とびきりおいしい おうちごはん - 小学生からのたのしい料理」(小学館クリエイティブ)2023年7月刊行。
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壱岐ゆかり
THE LITTLE SHOP OF FLOWERS主宰/花屋。インテリア業とPR業を経て、花の持つ色の豊かさに魅せられ、2010年The Little Shop of Flowers/リトルをスタート(現原宿)。2019年にThe Little Bar of Flowers(渋谷)をオープン。装花、WS、スタイリングなど、人の気持ちを花に”翻訳”する花屋、として活動しながら、廃棄花を染料にし、花の持つ色素と効能を、暮らしのギフトに落とし込む提案も始動。植物や花の活力を信じ、人生の様々な場面でそっと寄り添える存在になれたらと、日々奮闘中。
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相良育弥
1980年生まれ。株式会社くさかんむり代表取締役。茅葺き職人。兵庫県神戸市北区淡河町を拠点に、空と大地、都市と農村、日本と海外、昔と今、百姓と職人のあいだを草であそびながら、茅葺きを今にフィットさせる活動を展開中。平成27年度神戸市文化奨励賞 / 第10回地域再生大賞優秀賞 / ジャパンアウトドアリーダーズアワード2020 優秀賞 / 令和4年度日本文化藝術財団創造する伝統賞受賞

会場 : GYRE GALLERY / GYRE 3F東京都渋谷区神宮前5-10-1
お問い合わせ : 0570-05-6990 ナビダイヤル(11:00-18:00)
主催 : GYRE
展覧会企画 : eatrip&the little shop of flowers
企画者 : 野村友里・壱岐ゆかり
会場構成 : 中原崇志・香坂朱音
茅葺き : 相良育弥
エディトリアル : 石田エリ・藤井志織
グラフィックデザイン : 樋口裕馬
タイトルアートワーク : 角田 純
映像・写真 : 福田喜一
イラストレーション : 三宅瑠人
翻訳 : 三井聡子
PR ディレクション : HiRAO INC
協力 : majotae(エイベックス・エンタテイメント) ・ 正田智樹(竹中工務店)