ヴォイド オブ ニッポン 77 - 戦後美術史のある風景と反復進行 -

時代を映し出す
アーティストの作品を通して

反復から連鎖そして反響へ

フランスの哲学者ロラン・バルト(1915〜1980)は、「表徴」が溢れている中心のない空虚な日本に注目し、それを「意味の帝国」に対し「表徴の帝国」と表現した。 天皇、都市、女形、すき焼き、礼儀作法、パチンコ、学生運動も表徴であって、意味から解放された日本文化の自由度を描写した。 そして、「意味の帝国」に対し「表徴の帝国」は、西欧的な「意味」への脅迫的な執着からの解放と いう捉え方を提示した。日本文化は、記号群(シニフィアン)の連鎖が意味(シニフィエ)によって停止されることなく連鎖し展開していく。 この「日本」の捉え方を別の角度によって反転すると「日本はなくなって、 その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残る」 *2という自決する数ヶ月前に遺した三島由紀夫(1925-1970)の言葉が今の日本に反響する。 ロラン・バルトと三島由紀夫の双方が捉えた日本の「空虚」を前提にして、 現代活躍している次世代の日本の作家によって戦後美術家たちを逆照射(反復進行*1)し、 意味から解き放たれた中心のない空虚な戦後美術史のある風景を浮かび上がらせていく。 今年8月に太平洋戦争終結から77年が経過する。77年というのは明治維新から太平洋戦争終結までと同じ長さである。 つまり、1868年から1945年までが77年間、そして1945年から2022年までが同じく77年間である。戦前と戦後の長さが同じになる。 このような歴史的連続性を前提にして、「戦後美術史のある風景と反復進行」をテーマにした展覧会を企画した。 本展に出品される作品が、作品単体では完結されず時代を超えて反復から連鎖へ、そして転移していく様態を提示し、 結果的に全ての出品作品は自ずと時代的連続性を表象することとなる。 このことを本展では「反復進行」*1と呼んでいる。本展の構成趣旨は、 「日本」の戦前や戦後の時代精神を担った作家と現代活躍している新たな世代を代表する作家へと連繫し、時間の連続性を浮かび上がらせ、 さらに昭和、平成、令和を通してそれぞれの時代精神を対象化し、そしてわれわれが今後何処へ向かおうとしているのかを問いかけていくものである。

*1反復進行(独: Sequenz)とは、音楽用語の一つ。 ある楽句を音高を変えながら反復させることをいう。
ドイツ語「ゼクヴェンツ」(Sequenz)に由来して「ゼクエンツ」とも呼ばれる。
*21970(昭和45)年7月7日付の産経新聞夕刊に掲載された 三島由起夫のエッセイ。
飯田高誉(本展覧会企画者)

展示作品 ・ 作家紹介

  • 01 河原 温

  • 《作品》 / 1958年 / 608×449mm / インク・紙 / Courtesy of NAGOYA GALLERY
河原温は1932年愛知県生まれ。日本を代表するコンセプチュアル・アーティストのひとり。 愛知県立第八中学校(現・愛知)を卒業後、51年に上京。53年の第1回ニッポン展(東京都美術館)に 鉛筆素描の「浴室」シリーズを出品。タ県立刈谷高等学校イル貼りの浴室に、妊婦や人間の断片が描かれた この作品で注目を浴びる。また、「死仮面」シリーズ(1955-56)によって「印刷絵画」を提唱。 作家自身が製版・印刷の工程を監理しながら制作する、オフセット印刷による絵画で、作者自身によって書かれたテクスト 「印刷絵画」(『美術手帖』誌155号、臨時増刊「絵画の技法と絵画のゆくえ」、1959年)に詳細が論じられている。 59年にメキシコに渡る。メキシコ大学では、映画監督アレハンドロ・ホドロスキーと同級生。 その後、65年よりニューヨークを拠点に活動を開始。66年1月4日からは単色で塗られたキャンバスに白色で制作年月日のみを描く「Date Painting」(日付絵画)の制作をスタートさせた。「日付絵画」は、その日の0時から制作を始め、 その日のうちに完成させるというルールに基づきつくられたもので、完成後はその日の新聞を入れた箱に収められた。 また河原はこれ以外にも「I am still alive.」(私はまだ生きている)という文面の電報を世界各地から発信するシリーズ「I AM STILL ALIVE」など、数々の代表作を残している。70~71年には100万年分の年数をタイプライターで打った書物 『百万年(過去編)』を、80年には『百万年(未来編)』を限定制作した。主な個展に「河原温 連続/非連続 1963-1979」 (国立国際美術館ほか、1980-81)、「河原温 全体と部分 1964-1995」(東京都現代美術館ほか、1996-98)、 「On Kawara, Silence」(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、2015)。

  • 02 三島 喜美代

  • 《Comic Book 21–S》 / 2021年 / 180×145×150mm / Courtesy of MEM
1932年大阪府生まれ。高校生のときに油彩を始め独立美術協会の画家に師事する。 高校卒業時に、独立美術協会の独立展に出展。後に夫となる画家の三島茂司の薫陶を受け、 当初静物画など具象を描いていたが、徐々に抽象に移行していった。実験的に雑誌や新聞を絵にコラージュし始め 、後にシルクスクリーンも併用するようになる。60年代は新聞や雑誌が大量に創刊され、「情報化社会」 と提言され始めたころでもあり、絵画に社会性を取り込む意図があった。10年ほど続けた絵画に限界を感じ、 次の展開を模索していたとき、コラージュに使っていた新聞がアトリエの床に丸まって転がっているのを目にと め、彫刻のアイディアが浮かぶ。さまざまな素材を試したが、情報に翻弄される社会の危うさを端的に表したいと 、割れる危険性をはらんだ陶という素材に注目し、独自の研究を重ね、1970–71年に陶による新聞の立体作品 を試作した。割れさえしなければ永遠に存在する圧倒的な物質性、それと同時に壊れる緊張感をはらんだ陶は、三島が情報社会に抱く危機感と呼応した。1972年の銀座の村松画廊での個展以降、国内外で多く立体作品、インスタレーションの展示を開催する。 1974年「ファエンツァ国際陶芸展」ゴールドメダル受賞。2021年令和3年度文化庁長官表彰、2022年第63回毎日芸術賞受賞。近年の主な展覧会に2020年「 三島喜美代展」MEM(東京)、2021年「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力-世界の女性アーティスト16人」森美術館(東京)など。

  • 03 中西 夏之

  • 《R・R・W-4ツの始まり-Ⅰ》 / 2001年 / 1901×2275mm / 油彩・キャンバス / Courtesy of NAGOYA GALLERY
1935年東京に生まれる。1958年東京藝術大学を卒業。1963年高松次郎、赤瀬川原平とハイレッド・センターを創設、 従来の美術制作の枠を越えた反芸術運動で注目を集める。1965年には舞踏家である大野一雄、土方巽らと交流。 以降は土方率いる暗黒舞踏の公演の舞台美術や舞台装置、オペラの舞台装置を手がけるなど、多様な芸術活動を展開 。インスタレーションやオブジェなど様々な表現方法を模索したが、ことに紫や白、黄緑を基調とする抽象的な連作で、 絵画表現の根源を問い続けた。1996年東京藝術大学名誉教授に就任。晩年まで精力的に新作を発表し続け、国内外で展覧会が多数開催 。主な個展に、1995年『白く、強い、目前、へ』(東京都現代美術館、東京)、2012年『韻 洗濯バサミは攪拌行動を主張する 擦れ違い/遠のく紫 近づく白斑』(川村記念美術館、佐倉)ほか。ニューヨーク近代美術館、東京国立近代美術館、国立国際美術館をはじめ、 国内外の公立コレクションに作品が多数所蔵。2016年没。

  • 04 高松 次郎

  • 《季刊藝術のための複合体》 / 1976 年 / 35×390×270 mm / 鉄・真鍮・布・針金 /Courtesy of Yumiko Chiba Associates
1936年、空間が発生する瞬間を捉える、原理的な探究を通して、自らの思考の総合化と再検証を図った。 東京に生まれる。1998年死去。1960年代以降の日本の前衛芸術を牽引した、日本戦後美術における最重要作家の一人である。 絵画、彫刻、写真、ドローイング、パフォーマンスなど、多様な制作手法と多岐にわたる素材を通して、 視覚や認識を成り立たせる構造やメカニズムを探究した。芸術とその認識に関わる原理的体系に対する思索は、 複数の独立した制作手法をもつシリーズとなって展開された。1963年には、赤瀬川原平、中西夏之とともにコレクティヴ 「ハイレッド・センター」を結成。東京の都市空間を舞台に、さまざまなパフォーマンスやアクションを実施した。 初期の反芸術的な傾向を経て、高松の制作は、物質や知覚の問題に深く関わってゆく。その仕事は、初期の「もの派」の形成に大きな影響を与えた。 1964年からは、代表作となる「影」シリーズの制作を開始。実在と不在の境界を探究した。1980年からは、絵画シリーズ「形」を開始。

  • 05 ⾚瀬川 原平

  • 「あいまいな海について」案内状 / 1963年 / 220×162mm / 印刷物 / Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE
1937年神奈川県生まれ。前衛芸術のみならず、マンガ、文筆、写真など様々な分野で活動した。 55年に武蔵野美術大学入学後、58年に読売アンデパンダン展に初出品し、60年に吉村益信らと 「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成。63年には高松次郎、中西夏之と共に、 「ハイレッド・センター」を結成し、「ミキサー計画」として《模型千円札》や梱包作品を発表したほか、 屋上から物を落とす「ドロッピング・イベント」や、「首都圏清掃整理促進運動」などのパフォーマンスを行う。 64年、《模型千円札》が違法であると起訴され「千円札裁判」が開始、有罪となる。  赤瀬川は70年代からはマンガや小説を手がけ、71年には「櫻画報」によってパロディーマンガ家としての地位を確立するほか、 81年に尾辻克彦名義で発表した小説「父が消えた」で第84回芥川賞を受賞。99年にはエッセイ『老人力』 (筑摩書房、1998)がベストセラーになるなど文筆業でも話題を集めた。80年代からはカメラを手にし 、町中にある奇妙な物件などを撮影する「超芸術トマソン」「路上観察学会」「ライカ同盟」と名付けた活動を開始したほか、 96年からは美術史家の山下裕二と「日本美術応援団」を結成、いずれも亡くなる直前まで活動する。2014年没。

  • 06 三木 富雄

  • 《耳》 / 1964,1965 / 245×140×70mm / アルミニウム
1937年東京生まれ。早くから美術家を志す三木に反対する父親が、 条件として理容師の資格を取得することを求めたため、東京公衆衛生技術学校(現 窪田理容美容専門学校)卒。 その後中央美術学園通信教育部に入学。篠原有司男や荒川修作らが結成した前衛芸術グループ、ネオ・ダダイズム ・オルガナイザーズに参加することはなかったが、非常に親密な関係を持ち、1958年20歳で読売アンデパンダン展に出品。 この頃の作品は、自動車のタイヤでつくった巨大なオブジェにアスファルトを塗って燃やしたり、無数に吊り下げた瓶の列を会 場で破壊するといった、当時「反芸術」と呼ばれた傾向を示すが、一貫した様式はない。「耳が私を選んだ」と述べ、執拗に人 間の耳をかたどった作品を制作しはじめるのは1962年からである。1963年の個展で最初の「耳」シリーズを発表。人間の耳を モチーフにアルミニウムや真鍮で鋳造された彫刻を多数制作した。1966年勅使河原宏監督の映画「他人の顔」(安部公房原作 )のセットを担当。ヴェネツィアやサンパウロのビエンナーレにも出品して活躍した。1970年万博の金曜広場にコンクリート 製の特大な耳を設置。1971年ロックフェラー財団の奨学金で約一年ニューヨークに滞在、亡くなる2年前にも数ヵ月同地に滞在 し、最後に《翼の生えた耳》を制作したが、鋳造されることなく破壊された。1978年に41歳で急死。

  • 07 北村 勲

  • 《霊柩車浮上す》 / 1974年 / 油彩・キャンバス
画家。1942年生まれ、2008年没。1963年、独学で絵画を研鑽する中、 戦後日本美術を代表する前衛芸術家の中村宏に出会い師事。芸術の前衛と戦後の政治的な革新とを結びつけ、 社会的事件を描き記録することを目的とした「ルポルタージュ絵画運動」に触発され、その継承・展開を模索。1 968年以降、前衛美術会(1976年以降、「駒展」へ改組)メンバーとして活動。主なグループ展に「アンデパンダン’64」 (東京都美術館、1964)、「第22回前衛美術会『ディレクト・システム(集団個展形式)』」(東京都美術館、1968)、 「第1–7回駒展」(東京都美術館、1970–1976)など。主な個展に「北村勲」(新宿紀伊国屋画廊、1971)、「北村勲」( 早稲田画廊、1976)など。
  • 08 エンリコイサム大山

  • 《FFIGURATI #89》 / 2013-14年 / 2110×5670mm / アクリル性エアロゾル塗料・アクリル性マーカー・ラテックス塗料・墨・キャンバス / Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art
美術家。エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」 を起点にメディアを横断する表現を展開。イタリア人の父と日本人の母のもと、1983年に東京で生まれ、同地に育つ。 2007年に慶應義塾大学卒業、2009年に東京藝術大学大学院修了。2011−12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの 招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。これまでにマリアンナ・キストラー・ビーチ美術館 (カンザス)、ポーラ美術館(箱根)、中村キース・ヘリング美術館(山梨)、タワー49ギャラリー(ニューヨーク)、 神奈川県民ホールギャラリーなどで個展を開催。『アゲインスト・リテラシー』(LIXIL出版)、『ストリートアートの素顔』 (青土社)、『ストリートの美術』(講談社)、『エアロゾルの意味論』(青土社)などの著作を刊行。『美術手帖』2017年6月号を企画 ・監修したほか、コム デ ギャルソン、シュウ ウエムラ、JINS、アウディとのコラボレーションも手がける。2020年には東京にもスタジオを開設し 、現在は二都市で制作を行なう。

  • 09 北山 善夫

  • 《主題の喪失 3》 / 2010 年 / 447×370mm / 鳥の子紙にインク / Courtesy of MEM
1948年 滋賀県八日市市に生まれる。現在、京都府亀岡市在住。 80年代より、ヴェネツィアビエンナーレ、カーネギーインターナショナル展、インド・トリエンナーレ等の国際展に多数参加。 特に、竹や和紙を用いた大規模な彫刻作品が幅広く紹介され、建築プロジェクトにも取り組む。 90年代半ばより、鳥の子和紙にインクを用いて描かれる大判の平面作品を展開。粘土の彫刻をもとに描いた 「偶像図」や、宇宙の曼荼羅図ともいえる「宇宙図」等に取り組み、豊田市美術館の個展、アジアンアート・バングラデシュ ・ビエンナーレにて紹介される。2008年に上海のワールド・フィナンシャル・センタービル90階に15mの彫刻作品を設置し話題になった。 近年の主な個展に、「北山善夫展 生きるための主題」(みずのき美術館、京都、2013年)、 「北山善夫展 大声で笑い歌い、時には泣き」(東近江市立八日市文化芸術会館、滋賀、2015年)、「北山善夫展 – 事件」(MEM、東京、2019年)など。主なグループ展に、「瀬戸内国際芸術祭2010」(男木島、香川、2010年)、 「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」(森美術館、東京、2016年)、 「春企画展『大地の芸術祭』もう一度見たい名作展」(越後妻有里山現代美術館[キナー レ] 、新潟、2017年)「兵庫県立美術館 開館20周年 関西の80年代」兵庫県立美術館(2022年)など。

  • 10 青山 悟

  • 《Just a piece of fabric》 / 2022年 / 各76×160mm / ポリエステルオーガンジーにポリエステル糸・蓄光糸で刺繍 / Courtesy of Mizuma Art Gallery
1973年東京生まれ。ロンドン・ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を1998年に卒業、 2001年にシカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号を取得し、現在は東京を拠点に活動。工業用ミシンを用い、 近代化以降、変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表している。 近年の主な展覧会に、2019年「Unfolding: Fabric of Our Life」(Center for Heritage Arts & Textile, 香港)、 「The Lonely Labourer」(ミヅマアートギャラリー、東京)、2020年「ドレス・コード? ―着る人たちのゲーム」 (東京オペラシティギャラリー)、「Re construction 再構築」(練馬区立美術館、東京)などがある。

  • 11 金氏 徹平

  • 《CMYK》 / 2019年 / 1500×900×35mm / 木・インクジェット・ペンキ缶・インク / Courtesy of The Kyoto Shimbun
11978年京都府生まれ、京都市在住。2001年京都市立芸術大学在籍中、 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)に交換留学。 2003年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。現在、同大学彫刻専攻准教授。 日常の事物を収集し、コラージュ的手法を用いて作品を制作。彫刻、絵画、映像、写 真など表現形態は多岐にわたり、一貫して物質とイメージの関係を顕在化する造形システムの考案を探求。 個展「消しゴム森」(金沢21世紀美術館、2020)、「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」 (丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2016)、「四角い液体、メタリックなメモリー」 (京都芸術センター、2014)、「Towering Something」(ユーレンス現代美術センター、2013)、 「溶け出す都市、空白の森」(横浜美術、2009)など国内外での展覧会のほか、舞台美術や装丁も多数。 あうるスポットプロデュース「家電のように解り合えない」(2011)、KAATキッズ・ プログラム2015 おいしいおかしいおしばい「わかったさんのクッキー」(2015-2016)、KYOTO EXPERIMENT 2019 チェルフィッチュ x 金氏徹平、「消しゴム山」(2019)、チェルフィッチュ x 金氏徹平「消しゴム森」(金沢21世紀美術館、2020)での舞台美術をはじめ、自身の映像作品を 舞台化した「tower (THEATER)」(ロームシアター京都サウスホール、Kyoto Experiment 2017) では演出を手掛ける。作品は横浜美術館、森美術館、東京都現代美術館、国立国際美術館、 金沢 21 世紀美術館、Queensland Art Gallery & Gallery of Modern Art (オーストラリア) など国内外の主要な美術館にコレクションされている。

  • 12 加茂 昂

  • 《追体験の風景#1》 / 2017年 / 3240 × 1940mm / 油彩・キャンバス
1982年東京生まれ。2010年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。 3.11後、「絵画」と「生き延びる」ことを同義に捉え、心象と事象を織り交ぜながら 「私」と「社会」が相対的に立ち現われるような絵画作品を制作する。 近年は、福島を始め 、広島、水俣など、日本が抱えてきた甚大な災禍を作品のテーマに据える。主な個展に個展「境界線を吹き抜ける風」 (LOKO gallery 2019)、「追体験の光景」(原爆の図丸木美術館 2018)、「その光景の肖像」(つなぎ美術館 2017)、 「追体験の絵画」(広島芸術センター、2017)など。主なグループ展に「3.11とアーティスト10年目の想像」 (水戸芸術館、2021)、「星座を想像するように。過去、現在、未来」(東京都美術館、2019)、「航行と軌跡」 (国際芸術センター青森、2015)など。

  • 13 須賀 悠介

  • 《National Anthem》 / 2021年 / 2000×1000×1000mm / FRP・カーボンブラック・ウレタン塗料・コールタール他
1984年東京都生まれ。SFや科学哲学などを参照し、立体作品をベースに、 日用品を用いたオブジェや3DCGの映像作品など、様々な素材からなる新奇な作品を制作。 近年の主な個展に「瞳孔がひらいている」(LEESAYA、2022)など。主なグループ展に 「高松コンテンポラリーアート・アニュアルvol.06/物語る物質(高松市美術館、香川、2017)」、 「Ghost Roaming(LAGE EGAL RAUM FÜR AKTUELLE KUNST、ベルリン、2016)」、「Duality of Existence(FriedmanBenda、 ニューヨーク、2014)」など。

  • 14 ミカ タモリ

  • 《Psychotropism》 / 2022年 / 1940×1330mm / アクリル・ペン・コンテ・鉛筆・スプレー・Tropism
ビジュアルアーティスト。文化服装学院出身。東京在住、2017年よりバンコクと東京に拠点を持ち、 作品スタイルを再起動。2021年より新たにパリに拠点を置き活動中。 平面作品のほか、パフォーマンス、ムービー制作などを行う 。現代を生きる自分自身を取り巻く環境に対しての問題定義や、精神状態の追求を中心に作品を制作。 展示歴、2018年個展“Don’t look at me”CARTEL artspace/バンコク、個展“Psycho-Graphy Plot” /Bangkok Biennial/バンコク、2019年パフォーマンス展示“Coding swarm voices“LOW Fat Art Fest /バンコク、合同展“It’s already happened” ベルリン=ボタニカルガーデンミュージアム/ベルリン、 “Beast,Men & Bits/Liminal [Post-Digital-Age Curisoity Cabinet]/深圳市当代芸術与城市規劃館 /中国、2020年個展“The_O_rems/定理”/CARTEL artspace/バンコクなどで展示。2022年秋にはフランスパリにて展示、 パフォーマンスを予定。

  • 15 国民投票

  • 《起承転結》 / 1997年 / 1050×1420mm / 黒板にチョーク・ミクストメディア
1992年結成。匿名の芸術家集団として東京を拠点にゲリラ的に活動。美術史と社会思想に対する深い洞察に基づき、 芸術と政治をアイロニカルに批判する表現を展開。現代アートの国際誌『Flash Art』に90年代の日本の現代アートを 代表する作家のひとりとして紹介されるなど国内外で活躍する。主なグループ展に「90年代のアートシーン」 (ナンバシティホール/大阪、1992)、「NICAF ’ 94」(パシフィコ横浜、1994)、「ART TODAY’ 95」 (セゾン現代美術館、1995)、「今日の作家展:APROCHING REALITY コンセプチャリズムの新たな展開」 (横浜市民ギャラリー、1999)など。主な個展に「国民投票」(練馬区美術館、1992)、「国民投票」 (シキ・フジモリギャラリー/ニューヨーク、1997)など。

ヴォイド オブ ニッポン 77 展
戦後美術史のある風景と反復進行

会期
2022年8月15日(月) - 9月25日(日) / 11:00 – 20:00 / 8月22日(月)休館日 / 入場無料
主催
GYRE / スクールデレック芸術社会学研究所
会場
GYRE GALLERY
企画
飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)
企画協力
高橋洋介
会場設計
梅澤竜也(ALA INC.)
デザイン
乗田菜々美(graphic potato)
意匠協力
C田VA(小林丈人+髙田光+太田遼)
機材協力
Suga Art Studio
撮影協力
幸田森
PRディレクション
HiRAO INC
協力
The Kyoto Shimbun / LEESAYA / MEM /  NAGOYA GALLERY /  Mizuma Art Gallery /  SCAI THE BATHHOUSE /  Takuro Someya Contemporary Art /  Yumiko Chiba Associates  
HF
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HiRAO INC | tel.03.5771.8808 | mail.mifune@hirao-inc.com