村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力 ダイアローグ デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平
狂気の最初の声がニーチェの傲慢、ヴァン・ゴッホの卑下のなかに、
いつ忍び込んだかを知ることは重要ではない。
狂気は創作活動の最終的な瞬間としてしか存在しない
― ミシェル・フーコー『新装版 狂気の歴史 - 古典主義時代における』(田村俶・訳、新潮社、2020年)
村田沙耶香は、「世界はさ、鮮やかな蜃気楼なんだよ」(『生命式』、河出書房新社)と社会から孤立して精神世界のアンダーグラウンドに潜んでいる人々に語りかけ希望と生きる力を与えている。
飯田高誉 (スクールデレック芸術社会学研究所所長)
村田沙耶香
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1979(昭和54)年千葉県生れ。2003(平成15)年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。 2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。 著書に『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』などがある。(写真:Sayaka Murata ©Bungeishunju Ltd.)
デヴィッド・シュリグリー
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1968年英国マックルズフィールド生まれ。現在、英国ブライトンを拠点として活動。 日々の状況と人間相互の関係を風刺的コメントで描く独特なドローイングスタイルと作品でよく知られている。また、ドローイングを中心とする一方で、彫刻、大規模なインスタレーション、アニメーション、絵画、写真、音楽など、 幅広いメディアでも活動。出版物や音楽コラボレーションプロジェクトなど、ギャラリーの領域外で頻繁に活動することで常に自身の世界を広げようとしている。 2012年ロンドンのHayward Galleryでのミッドキャリア回顧展「Brain Activity」に続いて、2013年にはターナー賞にノミネートされる。2016年9月には「Really Good」をトラファルガー広場の「第4の台座」作品として発表。 2015年から2018年まで、ブリティッシュ・カウンシルが企画した個展「Lose Your Mind」はPower Station of Art(上海、中国)、Storage by Hyundai Card(ソウル、韓国)、水戸芸術館(茨城、日本)、 Instituto-Cultural-Cabañas(グアダラハラ、メキシコ)を含め6か所で公開された。また、2018年には英国ブライトンで開かれたブライトンフェスティバルのゲストディレクターに任命されている。 現在はロンドンのレストランSketchのギャラリーで、長期プログラムの一環として、作品の発表を継続して行っている。 尚、2020年にはビジュアルアートへの貢献によりOBE(大英帝国勲章)を受賞した。(写真:Craig Gibson)
金氏 徹平
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1978年京都府生まれ、京都市在住。2001年京都市立芸術大学在籍中、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)に交換留学。 2003年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。日常の事物を収集し、コラージュ的手法を用いて作品を制作。彫刻、絵画、映像、写真など表現形態は多岐にわたり、 一貫して物質とイメージの関係を顕在化する造形システムの考案を探求している。主な個展に「消しゴム森」(金沢21世紀美術館、2020)、「金氏徹平のメルカトル・メンブレン」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2016)、 「四角い液体、メタリックなメモリー」(京都芸術センター、2014)、「Towering Something」(ユーレンス現代美術センター、2013)、「溶け出す都市、空白の森」(横浜美術、2009)など国内外での展覧会のほか、 舞台美術や装丁も多数。あうるスポットプロデュース「家電のように解り合えない」(2011)、KAATキッズ・プログラム2015 おいしいおかしいおしばい「わかったさんのクッキー」(2015-2016)、 KYOTO EXPERIMENT 2019 チェルフィッチュ x 金氏徹平、「消しゴム山」(2019)、チェルフィッチュ x金氏徹「消しゴム森」(金沢21世紀美術館、2020)での舞台美術をはじめ、自身の映像作品を舞台化した 「tower (THEATER)」(ロームシアター京都サウスホール、Kyoto Experiment 2017)では演出を手掛ける。ニューヨークのJapan Societyで展開されプロジェクト「En/trance」にて、 現在サイトスペーシフィックなインスタレーションを展示している。(写真:川島小鳥)
村田沙耶香のユートピア_
〝正常〟の構造と暴力ダイアローグ
デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平
- 主催
- GYRE
- 会期
- 2020年8月20日(金) - 10月17日(日) /
休館日 : 8月23日(月)
- 会場
- GYRE GALLERY / GYRE 3F 東京都渋谷区神宮前5-10-1
- CONTACT
- 03-3498-6990
- 企画
- 飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)
- 音楽協力
- 池田謙
- デザイン
- 乗田菜々美
- 意匠協力
- C田VA(小林丈人+髙田光)
- 撮影協力
- 幸田森
- 展示協力
- 太田遼
- 協力
- Yumiko Chiba Associates、 河出書房新社、 文藝春秋、 株式会社リコー、 HiRAO INC