No Concept 「THE WORLD」 A place where “No Concept” is allowed

概念やカテゴライズという世界が
存在しない作家達のアウトサイダーアート
No Concept
- 「THE WORLD」 A place where
“No Concept” is allowed - 展

彼等のアートは考えて生み出されるものではない
それは、概念が存在しない世界、
カテゴライズしない世界
Feel 〉Think→No Concep
この時代に生きるすべての人が、
自らに問うてほしいとの願いを込めて

この展覧会のタイトルは、「No Concept=コンセプト無し」 マルセル・デュシャン以降、作品のアイデアやコンセプトが重視されてきたアートの世界。 それゆえに、作品を深く理解するためには、背景にある政治や宗教、社会状況などを知る必要性がありました。一方で、この知的ゲームのような現代アートの世界と同時進行で、人間の「身体性」を根源とした、もう一つの表現の世界が存在します。当会場で4回目となる本展も、北は北海道から南は九州まで、全国の福祉施設に主催者自らが足を運び、44名の作家との交流を経て出会った作品を厳選し、アートとして適正な値付けをした上で、展示・販売いたします。

展示作品・作家紹介

  • 「green&orange」2022
  • ヨネヨシ

    幼少期より女の子を描くのが好きで、小学生時代には既に現在のパソコン+ペンタブレットで制作。ペンタブの理解とともに作品の表現にもひろがりが生まれるが、そもそもヨネヨシが触れるすべてのガジェット(ペイントアプリから3DCG アプリ、編み物にまで多岐にわたる)は、さまざまな媒体を駆使した独学が基本。制作は常にCtr とZ に指が置かれ、納得するまで永遠にやり直しをくぐり抜けた完成作品はまさに奇跡としか言いようがありません。

  • 「芝桜」2022
  • 小林和弘

    小林さんは軽度の知的障がいと難病(少しずつ筋肉が動きにくくなる病気)です。そのため歩くことはできず、電動車椅子の生活です。しかし彼はとてもアグレッシブで電動車椅子に乗り、一人で電車に乗ってどこにでも出かけます。お母さんと一緒にヒマラヤまで行ったこともあります。その時のヒマラヤでの体験が彼には大きな影響になったようで、最近は山をテーマにした作品が多くなっています。作品制作でも握力が弱いため絵筆をにぎるのもどうにか持てるような状況です。持ちにくい筆をキャンバスに擦り付けるように描く独特の筆致が彼の作品の魅力のひとつとなっています。

  • 「りんごの花とルリビタキ」2020
  • 水野貴男

    強い筆圧で塗りこまれた濃厚な画面が印象的。カラフルな色使いと丁寧な仕事、奇抜に引かれる線で完璧に独自の世界を築いている。本人によるとブロッキングされた背景色は太陽、空、草、土などに分かれていることがある。カフェでは超真面目な人柄がばっちりバリスタとしての仕事とかみ合ってマスターに就任。強烈な視線の人物画、動物画が人気。

  • 「優しい紫陽花」2022
  • 世古口孝太

    2014 年から油彩画に取り組んでいる。毎日通所する就労支援事業所では、日が暮れてしまいスタッフからストップがかからないとやめることがないほど、草抜き、枯れ葉集めなど、自然と関わることが大好きで、毎日自宅で描く油彩画も、自然や動物をテーマにしたものが多い。普段から体感している植物や土や水の色や香りから受けたインスピレーションを、独自のイマジネーションで数カ月かけて1 枚のオリジナルワールドとして表現している。

  • 「ホテル」2016
  • 前田貴

    真面目で穏やかな前田さん、日々の仕事も着実に。旅行などのパンフレットの写真から気に入ったものを選んで、思い描いた形を紙に描いていく。完成するまでにイメージがどんどん変わっていき、前田さんも偶然出来る形を「キツネにみえる」とか「ヘビみたい」などと言いながら楽しそう。
  • 「お花模様のザリピエ村」2021
  • 山下さおり

    アトリエのメンバーからは姉のように慕われる山下さん。その人柄を表すような優しいタッチと色使いで描かれる作品には、彼女が好きな動物や植物が登場する事が多い。ベランダで育てた植物や、道端で摘んだ草花をドライフラワーにしたり、絵画だけでなくアクセサリー制作やクラフト作品など、モノを通して育まれる、さまざまな人との繋がりを大切に活動している。

  • 「Waiting for the Sun」2021
  • 渡辺あふる

    「本当に絵を描くのが好きなの?」と疑いたくなるくらいに、まるでコーヒーを飲むように、寝転んでテレビでも見るように描くことが自然。さまざまな画材を何の緊張感も感じさせないままに駆使し、独特の線が描き出すヌードからはエロスを、獰猛な動物からは野生を削ぎ落とすデトックス名人。初の100 号作品である『Waiting for the sun』はドアーズの名盤タイトルから。

  • 「マンクスのシッポ」2022
  • 蛯子陽太

    幼少期より創作を始める。モデルは実際にあったことのある犬猫で、同じ犬種猫種を作画してもそれぞれ表情や雰囲気が異なる。自身で創作した作品は全て把握しており、完璧にタイトルを当てる。創作が始まると表情が変わり無口になるが、終わりに近づくとお気に入りの歌を口ずさみ完成に向かう。たくさんの作品を作り、たくさん売れ、貯金が増えたら好きなだけ犬や猫を飼えると願い、毎日勢力的に創作をしている。下書きなしの直描きで作画し、短時間で仕上げるため、アトリエに膨大な作品を収蔵している。

  • 「無題」2022
  • 鵜飼裕之

    紙に黒のボールペンで幾重にも円を描きこんでゆく。一見、無造作にひとつの行為として繰り返されたかのような大小様々な無数の円も、いつの間にか、まるで初めから計算されていたかのように綺麗にバランスよくそれぞれが列をなしてゆく。集中して黙々と円を描き続ける時、紙とペンが重なり合う感覚や転がる音を楽しむように、体をリズムよく揺らしながら笑顔で制作に取り組む時等、その時の状態により描き方は異なる。その日の感情や思いが、塗り重ねた円の一つひとつに濃く映し出されていく。

  • 「無題」2021
  • 榎本朱里

    絵の具をしみ込ませた絵筆を振って、その飛沫で着色するドリッピングのように、真っ白な紙に次々と色を重ねていきます。「次は何色がいい?」「黄色~!」スタッフが絵の具を用意する先から、ベタベタと塗り、時にポタポタと色を落としていきます。一つ一つの行為のたびに、スタッフに満面の笑顔を向けます。隣にいるスタッフによって、作品の色合いや塗り方に違いができてきます。彼女はスタッフとのコミュニケーションの中で作品をつくっています。スタッフは常に傍にいて見守り続け、相手がどうすれば嬉しいのか、そのことだけを考え動いています。そんなスタッフたちのことを「大好き!」と臆面なく言う彼女の笑顔は多くの人の心を癒します。
  • 「無題」2020
  • 中川ももこ

    「ももこ」。自分の名前を、何度も何度も繰り返し書き綴る。幾重にも書き重ねられた文字の線は、絡み合いながら文字の原型を留める事なく、まるで絵画のような作品へと変化を遂げる。活動当初は刺繍の作業に取り組みいくつかの作品を制作する。もともと行う彼女の反復行為を活かし、無理なく集中して活動に取り組めることを目的に刺繍制作を行うようになるが、次第に興味は文字を書くことへ移行していった。使用する画材はカラーマーカーペンやペン等様々で、道具へのこだわりはほとんどなく、ただ書き重ね変化していく文字や筆の音、手に伝わる感触を楽しむかのように、止むことなく描き続けていく。

  • 「優しい富士山」2021
  • Yui Chounan

    おっとりとして穏やかな性格の持ち主で、彼女が描く作品にはいつもその優しさが溢れています。ソフトパステルやアクリル絵の具を使った花や動物の絵は観る人の心を癒してくれます。富士市在住の作者が描いたこの富士山も、柔らかい色調にまとめられ、富士の雄大さとおおらかさが表現されています。20歳の若々しいエネルギーと純粋さ、素直さを作品から感じてください。

  • 「人が乗っている馬」2021
  • 赤井俊太

    かわいらしく牧歌的だが、どこかシュールな雰囲気が漂うモチーフを描く。ルーティーンを大切にしている彼は、動物や乗り物、食べ物など、同じものを繰り返し描くことで気持ちが落ち着くようだ。特に乗り物や自衛隊機が大好きで、細かいディテールまで再現する。作品の雰囲気とは裏腹に、本人はとても活発。突然手を止め、体を揺らしたり、ジャンプしたりしたあと、何事もなかったかのようにまた制作へ戻る。天井に頭がぶつかってしまうのではないかと思うほどの跳躍力で、休み時間も動き回っている。

  • 「Hawaii」2022
  • 野海靖治

    演劇、音楽、ダンス、スキルアップ研修、旅行、などとにかく興味関心あることはに挑戦してきました。旅行記の執筆も続けています。毎日の生活の中で思う気持ちを一文字に込めて書き溜めています。大きな文字を書くことはとても体力も要り、一人ではできないのですが、終えた後の気持ちよさは格別です。

  • 「Blooming16」2022
  • 中武卓

    小学生時代から絵を描くことが好きで日常生活で目にする、コップ、果物、スーパーのチラシなどを文字を交えて描いていた。現在は、元美術教師宅に週一回通いながら、アートステーションどんこやに所属し、メンバーとの生活を楽しみながら表現活動をしている。花の絵や食卓の内容、彼が目にした全ての物が作品のモチーフとなっている。出会った人の顔を描きプレゼントすることがよくあり、会話が苦手な彼にとって描くことは人とのコミュニケーションツールになっている。大きいサイズの紙に花等を迷い無く描く様子は、花と対話しているかのようである。

「THE WORLD」について

一般社団法人Arts and Creative Mindは、2022年春、北海道十勝で社会包摂型アートスペース「THE WORLD」プロジェクトをスタートしました。目まぐるしく変化する現代において、社会の分断が加速し、恵まれない側の人たちのストレスが大きな社会問題となっている中、人が本来持っている「身体性」を取り戻し、生きがいを感じながら暮らせる場所は、世界中で求められています。多様な人々を包摂し、自由に自らを表現するアートスタジオ。生まれた作品を展示するためのギャラリー。今年から始まった、ワイン用葡萄栽培をはじめとした生きる糧を得るための農地。私たちは、アートを軸に、新たな文化を創り育てるチャレンジを始めました。これらの試みは、内外の人々が有機的につながることで持続可能となります。皆様のご支援・ご協力を、心よりお願い申し上げます。
公式オンラインストア
https://theworld-tokachi.stores.jp/

No Concept
「THE WORLD」 A place where
“No Concept” is allowed - 展

会期
2023年7月15日(土) - 8月27日(日) / 11:00 – 20:00
*8月21日(月)はGYREの休館日となります
会場
GYRE GALLERY /東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE3F
お問合せ
0570-05-6990 ナビダイヤル(11:00-18:00)
共催
一般社団法人Arts and Creative Mind + GYRE
展覧会総合キュレーター・プロデューサー
杉本志乃(一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事)
アートディレクション
ヒロ杉山+Enlightenment
写真・映像
逢坂芳郎
PR ディレクション
HiRAO INC
協力
隈研吾建築都市設計事務所・高野ランドスケープ・十勝毎日新聞社・株式会社ALBION・株式会社HiRAKU・北海道共働学舎新得農場・株式会社川田工業・長曽我部徹・株式会社ブルーバニーカンパニー他
助成
TRUNK(Hotel)
Press Contact
HiRAO INC|東京都渋谷区神宮前1-11-11 #608
T/03-5771-8808|F/03-5410-8858
担当:御船、鈴木
出展作家44名
Kaede Watanabe, Yui Chounan, Masanori Ikeda, F.K, Reiya Nakano, ヨネヨシ, 野海靖治, 椎原大智, 加地英貴, 山崎孝登, 小林和弘, 有田京子, 飯塚月, 水野貴男, 辻井星, 世古口孝太, 落合香奈, ほんままい, 岡部志士, 前田貴, 大串憲嗣, 山下さおり, 山田恵子, XL, 渡辺あふる, 千葉真弘, 黛和弥, 蛯子陽太, 乾夏樹, 小崎祥, 清尾あかり, 赤井俊太, 井上優, 鵜飼裕之, 榎本朱里, 川中琴樹, 中尾涼, 中川ももこ, 宮下幸士, 森雅樹, 森田郷士, 𠮷田ひより, あーちゃん, 中武卓
参加団体13組
atelier QUOKKA(静岡), Abigail(大阪), あわいや(宮崎), アトリエライプハウス(大阪), YELLOW(大阪), 嬉々!!CREATIVE(神奈川), 希望の園(三重), 工房集(埼玉), 工房まる(福岡) , Swing(京都), ブレーメン(北海道), 麦わら屋(群馬),やまなみ工房(滋賀)